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地球科学実験 (2017年度後期)

地球科学実験 は京都大学の全学共通科目として開講されている科目で、 2017年度後期には本研究室の風間が測地の実習を担当しています。 このページでは、地球科学実験の測地実習に関連し、 測量結果やレポートへのコメントなどをまとめていきます。

講義資料

第1週:水準測量(2017年12月15日版:配布版と内容がわずかに異なる可能性あり)
第2週:相対重力測定(2017年12月22日版:配布版と内容がわずかに異なる可能性あり)

レポートその1 : A班

問題 : 1つの測線で、最初に使う標尺 と 最後に使う標尺 を同じにする理由は?


答え : 標尺目盛のずれ(底面の磨耗や凹凸に起因)に伴う誤差を相殺するため。
例えば、標尺Aと標尺Bがあり、標尺Aの目盛りに+0.1cmのずれがある(正しい0.0cmが+0.1cmになる場合)とする。 このとき、標尺Aを後視として最初に使うと、1回目の前視/後視測定で+0.1cmのずれが生じる。 一方、2回目の前視/後視測定では標尺Aを前視に使用し、このときのずれは-0.1cmである。 このように、前視/後視測定を偶数回繰り返すことで、標尺目盛のずれに伴う誤差を相殺することができる。


解説 : 6名全員がこのレポートを提出し、全員正解でした。 中には数式を用いて解説している方もいて、大変分かりやすかったです。
なお、提出者のうち1名が「温度変化に伴う標尺目盛りの膨張収縮は、同じ環境であれば2本に同様に寄与するので誤差要因にならない」とコメントしていました。 しかし、極端な場合を考えると大きな誤差を生じる可能性があります。 例えば、南から北に伸びる測線でお昼ごろに水準測量をしているとします。 このとき、南側(後視)の標尺は日陰になるので目盛りは収縮し、北側(前視)の標尺には日光が当たって目盛りが膨張します。 その結果、後視の読取値は大きく、前視の読取値は小さくなり、(完全な水平面であったとしても)北側の比高が高く見積もられます。 このように、目盛りの膨張収縮の影響は無視できないほど大きくなる場合があり、この誤差を補正するのはなかなか難しいです。 曇りの日に測量を行う、標尺を傘の陰で覆う、などの工夫をするしかないようです。

レポートその1 : B班

問題 : 水準儀の 十字線 と 上下各スタジア線 のなす角度を θ とする。 各スタジア線の標尺読取値の差 (2d) を 水準儀〜標尺間の距離 (x) に一致させるには、θ を何度にすればよいか?


答え : 標尺の単位は [cm]、距離の単位は [m] であることに気を付けると、 x = 2d * 100 という関係が導出できる。 この式と三角関数の式から、θ ≒ d / x = 1 / 200 [rad] = 0.286 [deg] が計算される。 なお、ここでは微小角に対してθ ≒ tan θ となる関係を使用した。


解説 : 5人がこのレポートに回答し、このうち2人が完璧な回答でした。 残り3名は、スタジア線〜スタジア線の角度を求めていた、1/100を忘れていた、具体的な値を代入していなかった、などの間違いでした。 この問題に限らず、問題設定や単位変換には気をつけましょう。
この他、実習初日の水準測量時に欠席だった1名については、重力測定に関わるレポートを別途課しました。 こちらについても、間違いなく回答がなされていることを確認しました。

レポートその2

課題 : 国土地理院設置の基本基準点を見てきて、自分との2ショット写真を撮る。


解説 : 以下では新規で訪問された基準点を記しています。


提出者 水準点 三角点 電子基準点 その他
A 6 3 1 0 1
B 5 2 4 0 0

水準測量結果まとめ

吉田神社参道の鳥居(東西2箇所)の脇にある基準点を水準測量で結びました。単位は全てセンチです。


月日 往路 復路 平均 較差
A 11/10 +194.40 -194.50 194.45 0.10
B 12/15 +194.60 -194.45 194.53 0.15
C 01/05 +194.75 -194.75 194.75 0.00
D 01/19 +194.70 -194.75 194.73 0.05
平均 +194.61 -194.61 194.61 -----

重力測定結果まとめ

吉田南3号館の各階でLaCoste相対重力計による重力測定を行いました。 下に示しているのは各階間の重力差で、単位は全てマイクロガルです。 なお、各階間の高さ差はおよそ360センチで、G576はスコープを覗いて、D36は検流計を用いて重力値を読み取りました。


月日 BF→1F 1F→2F 2F→3F 3F→4F
A-G576 11/17 -928 -969 -1063 -1026
A-D36 11/17 -895 -1027 -1003 -1039
B-G576 12/22 -926 -1013 -1030 -1036
B-D36 12/22 -890 -995 -1038 -1035
C-G576 1/12 -922 -1020 -1018 -1041
D-G576 1/17 -942 (-873) -1045 (-1127)
D-D36 1/17 -925 -996 -1023 -1032
G576 平均 -929.5 -1000.7 -1039.0 -1034.3
D36 平均 -903.3 -1006.0 -1021.3 -1035.3
平均 -918.3 -1003.3 -1031.4 -1034.8

更新履歴

01/19: D班の水準測量結果を掲載
01/18: C班およびD班の重力測定結果を掲載
01/11: B班のレポートに対するコメントを掲載
01/05: C班の水準測量結果を掲載
12/22: B班の重力測定結果、および講義資料を掲載
12/18: A班のレポートに対するコメント、およびB班の水準測量結果を掲載
11/20: A班の重力測定結果を掲載
11/13: A班の水準測量結果を掲載
11/08: このページを作成

写真: 重力並行観測
インドネシア・チビノンで行われた超伝導重力計(右)と絶対重力計(左)の比較観測の様子です。 本研究室が関連しているインドネシア重力測定の研究成果は、例えば以下の通りです。
Abe et al. (2006)
Sofyan et al. (2015)


測地学研究室へのアクセス
〒606-8502 京都府京都市左京区北白川追分町 京都大学理学部1号館2階 (地図