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陸水流動・重力擾乱計算ソフトウェア G-WATER

重力観測は地震時地殻変動や火山活動をモニターするうえで有効な方法の1つです。 しかしながら、重力は降水・地下水流動といった陸水変動に非常に敏感であり、この擾乱を補正しなければ固体地球起源の変動を検出することはできません。
私は大学院修士課程以降、継続してこの問題を研究してきました。 その結果、陸水の時空間分布をモデル化することで、陸水起源の重力擾乱を精度よく再現・補正できることが分かりました。
このページでは、博士論文執筆時に開発した独自の陸水流動・重力擾乱計算ソフト G-WATER を紹介します。 このソフトは今もバージョンアップ中で、皆さんの意見を参考にしていきたいと思っています。 ご質問・ご提案・ご批判など、ぜひフィードバックをよろしくお願いいたします。

参考になりそうな読み物

本ソフトウェアについてはいくつかの論文が既に出版されていますが、水文学に不慣れな人には少しとっつきにくいかもしれません。 以下のページで陸水擾乱の概要を知ることができるので、G-WATER を使用する前にぜひご覧ください。

G-WATERの意味

Gravity and Water flow Analyses using Time-dependent Equations to Retrieve solid-earth signals

G-WATER [3D]

最新バージョン Ver.2013.06.05
できること 地表下に存在する水のうち「土壌水(不飽和水)」と「地下水(飽和水・不圧帯水層)」の時空間分布をシミュレートし、空間積分によって重力変化を求めます。
メリット 地表凹凸が激しい地域(火山など)の土壌水・地下水分布を計算することができます。
デメリット 境界条件・初期条件・モデルパラメーター・地表形状など、計算するのに必要な情報がとても多く、正直計算は大変です。
重力変化再現精度 浅間山への適用例では、絶対重力計で観測された重力変化を 3 microGal の精度で再現することができました(Kazama et al., JGR, 2015 より)。

用語における注意点

G-WATER [3D]で使用している用語は、陸水学における厳密な定義と異なっています。 この点については今後修正予定ですので、現時点ではプログラムコード・マニュアルを以下の通り読み替えてください。
【本ソフトウェア】 ― 【陸水学】 ― 【英語表記】
(広義の)地下水 ― 土壌水+(狭義の)地下水 ― underground water
不飽和地下水 ― 土壌水 ― soil water
飽和地下水 ― (狭義の)地下水 ― groundwater

G-WATER [1D]

最新バージョン 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)に最新版を掲載しています。
doi:10.14989/284414
できること 「地表面への降水インプット」と「地下水面(飽和・不飽和境界面)の高さ変化」という2つの境界条件を用いて土壌水(不飽和水)の時空間分布を計算し、空間積分によって重力変化を求めます。
メリット 水平方向不均質を完全に無視しているので、G-WATER [3D] に比べて容易に物理モデリングを行うことができます。平野部の土壌水分布をモデル化するのに適しています。
デメリット 地表凹凸の激しい地域(火山など)では水平方向の陸水分布不均質が重要になりますので、本プログラムは適用できません。(G-WATER [3D] の使用をお勧めします。)
重力変化再現精度 岩手県・胆沢扇状地への適用例では、超伝導重力計で観測された重力変化を 1 microGal の精度で再現することができました(Kazama et al., EPS, 2012 より)。

G-WATER [E]

最新バージョン ソフトウェア: Version 2018.01.30
マニュアル: Version 2.0 (2018/01/30)
できること いくつかの仮定に基づき、陸水起源の重力変化を経験的に計算します。
メリット 「降水データ」と「地表形状」だけで重力変化を容易に計算できます。
デメリット あくまでも経験的な計算です。このソフトで得られる重力変化が、実際の地下水流動物理機構を反映しているわけではありません。重力変化の目安としてお考えください。
重力変化再現精度 鹿児島県・桜島への適用例では、絶対重力計で観測された重力変化を 約 8 microGal の精度で再現することができました(風間ほか, 測地学会誌, 2014 より)。

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