高さの測り方
ウィルド社製NI002型水準儀  ある点の標高とは、その点を通る鉛直線に沿って測ったジオイド面までの距離と定義されます。具体的には、水準原点を24.4140mとし、そこから水準測量によってその点までの比高を求め標高を求めます(実際には国家水準点から)。日本各地の標高は、この水準測量によって決定されています。比高とは、ある2点の標高差で、右上図のように水準儀と標尺を用いて測定します。
 水準測量で用いられる水準儀は、原理的には望遠鏡(標尺を見るため)に高感度気泡管(機器を水平にするため)をくっつけたものです。気泡管を使って、標尺と標尺の中央に置いた水準儀を正確に水平にセットし、前後の標尺の値を読み取り、その差を比高とします。この方法により、前後の標尺を置いた点の比高を0.1oの精度で測定していきます。 ウィルド社製NA3000型水準儀とバーコードが描かれた標尺
大文字山での水準測量  野外での重力観測をする際、測定点での正確な標高を求めておかないときちんとした重力補正ができないので、水準測量が必要となります。また、長い期間同じ地域を繰り返し水準測量することで、地殻変動の様子を見ることもできます。測地学講座では、毎年3回生の課題演習で水準測量を行うほか、最近では、GPS測量の誤差の見積もりのために水準測量を行っています。
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